どんどん魅力がなくなる日本

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4月4日 土曜日。北朝鮮が通告通りにミサイルを発射する可能性が高いという。早くて今日の午前11時に発射されると、その10分後には日本の上空を通り過ぎるか、どこかに落下したかが分る。ひょっとしたらあと数時間の命かもしれない。

テレビでは、万が一に備えて避難訓練をしている保育園の様子が放映された。まるで戦時中の竹やり訓練を彷彿させる。地下シェルターでもない限り、全員で一つの部屋に団結しても意味がない。しかしこれがもしノドンの発射実験だったら、日本を逃げ出す人たちが多いことだろう。

黒沢明監督の映画『生きるものの記録』は、1955年のモノクロ映画であるが、まるで今この時期を見据えたような作品である。
主人公は鋳物工場の経営者(三船敏郎)。2男2女の父で、数人の妾とその子供の面倒まで見ているワンマン親父なのだが、工場を処分して、みんなでブラジルに移住しようと言い出す。その理由は原爆と放射能に対する被害妄想で、地球上で安全な場所は南米しかないと決め込んでいるのだ。全財産をつぎ込んで計画を実行しようとするのを、家族たちは家庭裁判所に訴えて阻止をはかる。原爆なんてナンセンスだし、今の生活を捨てたくないと、父親を準禁治産者とする申立てをするのだが・・・。

映画を見ながら今の時代を想い、海外移住計画への賛成意見が浮かんだ。状況は戦後よりも酷い。北朝鮮のミサイルに狙われ、国民から税金を搾取しては政治家や役人の財布が潤う国に、何の魅力があるのだろう。ましてや私のような物書きの仕事は世界のどこにいても、インターネットさえあれば原稿を送ることが出来る。

マレーシアでは月6万円あれば楽に生活していけるという。寝室が2~3室ある小奇麗なアパートメントを借りてだ。しかも医療費は驚くような安さで、60歳以下ならマレーシアの医療保険に加入できるし、60歳を超えても日本の損保会社の海外旅行傷害保険に入れば問題ないという。

日本は穏やかな春で、待ちに待った桜が満開。こんな美しい国に魅力を無くさせるのはいったい誰のせいなのか。老いた政治家たちが亡くなった時には、棺おけを札束でいっぱいにして焼かれるのだろうと、消えていく日本の資産(人もマネーも)を想った。

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