男の矜持と悪大名

広告

差出人:首相官邸から、この人のメルマガが配信されるたびに不快な気分になる。ならば配信を止めればいいわけだが、小泉内閣、安倍内閣、福田内閣と受信フォルダに溜め込んできたので、麻生内閣も記録として保存している。

自民党の両院議員総会が行われれば、もうすぐ最終号かなと思っていたら、21日の衆議院解散日に議員懇談会を行うことになったという。「私は逃げも隠れもしない」と言っていた麻生総理だが、自分の首を切られないよう非公式な会合で所信を述べるのは、逃げに当たらないだろうか。どこまで姑息な男だろうと、捻じ曲がった口を見るたびに、「おぬしもワルよのう」とほくそ笑む時代劇の悪大名を思い出す。

「決断のとき」と題した7月16日付のメルマガ。「今週月曜日、来週早々に、衆議院を解散することを決めました。私は、昨年9月の総理就任以来、常々、『政治の責任』は、『国民の安心』であり、『国民のくらしを守る』こと、と申し上げてきました。」を書き出しとして、私はあれをやった、これをやったと功績を自画自賛している。

経済対策に取り組んで4回にわたる予算をまとめた。雇用の維持が厳しい企業には『雇用調整助成金』を拡充し、250万人を超える雇用を支えている。中小企業向けに総額約16兆円の融資と債務保証を行い、500万人を超える雇用の安心を確保した。
外交では、オバマ大統領と連携して金融危機への対応、北朝鮮問題、テロとの闘いなどに取り組んできた・・etc. そうかそうか、偉いよね~。

支持率低迷の逆風に耐え、生き残ってきた図太さには拍手を送る。安倍氏、福田氏のような逃亡劇もない。しかし自分を中心に世界が回るマイペースさは、もしかして自己愛性人格障害じゃないかと疑うほどだ。

業績を評価するのは自分ではなく、あくまでも国民だ。「誰のおかげだと思ってるんだ」と恩着せがましく口に出さずとも、飢餓から救ってもらった民百姓は「ありがたいお殿様だ~」と目に涙で拝むだろう。自分の功績を自らアピールする時点で、男の矜持(きょうじ)は地に落ちている。

揉めて揉めて、最後に残るのは誰? 内部から解体寸前の自民党。マニュフェストが絵に描いた餅の民主党。傀儡政権の紐を操る公明党。8月30日投開票までに、彼らの何が変わるのだろう。厭世的なムードに陥った国民の心が、ネガティブな天変地異を引き起こさなように祈りたい。

コメント

// この部分にあったコメント表示部分を削除しました
タイトルとURLをコピーしました