解雇は誰の首をしめるのか

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自転車に乗っていた女性を引っかけ、約600メートル引きずって逃げたとして、大阪府のタクシー運転手が昨晩逮捕された。運転手は警察の調べに対し、「1週間前に人身事故を起こしたので、会社に知られたらクビになると思い、白を切り通そうと思った」と供述したという。
(2010年2月28日23時47分 YOMIURI ONLINEより抜粋)

とんでもない輩である。しかし人身事故を起こしたばかりの従業員にひき逃げを決意させる企業には、解雇しただけでは済まない危機が待っているだろう。

このニュースを見て、トヨタのリコール騒ぎから浮き出た雇用問題を連想した。トヨタの工場では生産ラインの一部に不具合が生じた際、作業者がライン全体を止めることができる「アンドンコード」と呼ばれるシステムがある。小さなトラブルでも発見者が一時的にラインを止めれば、大きなトラブルを防げる良質のシステムであるのに、どうしてコードを引っ張れなかったか。作業者たちは生産性を低下させた責任を負わされ、レイオフされることを恐れたのだという。景気低迷による人員削減が、従業員の心理を縮こまった場所へ追い込んでいる。

給料は安く、仕事にやり甲斐がない。解雇されたときに備えて財布の紐をしめる。ストレスが溜まってアルコール依存や鬱病になる。
一方で、人手と能力が減った企業は商品のクオリティが劣化し、売上がダウン。その間に資金力のあるライバル社が顧客をさらって行く。借り入れはできず賃金は払えず、経営者も鬱病になる。負のスパイラルには歯止めがきかない。

希望的観測だとしても、いつか景気が上向きになったとき、労働者は解雇された会社に果たして戻るだろうか。多少給料は安くとも、心ある企業のドアを叩くはずだ。

会社という文字をひっくり返せば社会。どんなひっくり返った状態であろうと、社員を幸せにしたい想いを持ち続けるのが、社会を代表する企業であって欲しい。苦しいときはお互いさま。膝を突き合わせ、精一杯に出来ることを心から行う経営者に対し、仕返しをしようとは考えないだろう。

世界中が疲れている。4年に1度のオリンピックで夢を見たのも束の間、地上には大不況の現実が待っている。手遅れにならないうちに、世界の首脳たちがG7、G20の開催数・有効性をもっと現実視して欲しいと願う緊急事態である。

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