経営者や医師、弁護士など、俗に言うエグゼクティブが集まる宴会に参加した。
後半になってアルコールが回ってきた頃、話題の焦点は「いつ現役を引退して、遊んで暮らせるようになるか」。都心にビルの1つでも建てて、家賃収入で趣味の暮らしをするというのが理想らしい。
私の周りを見渡せば、確かにいるいる。
学生時代から起業して、昼夜2つの会社を365日フル回転で動かし、40代半ばで隠居生活に入った男性。賃貸マンションを3戸建て、家賃の入金チェックをするだけで、後はレジャーに温泉、飲み歩きの毎日だ。
もうひとりは親の資産を受け継ぎ、銀座のど真ん中に商業ビルを持つ男性。週の半分ぐらいは社長室に出勤しているものの、あと半分はゴルフ三昧。夜は女の子たちとのデートに明け暮れている。
この2人に共通するのは、物忘れの激しさ。相手の話を遮り、毎度同じ自慢話を繰り返す。寄って来るのは陰で舌を出しながら、煽ててお金を引き出そうとする太鼓持ち共だ。
雑誌で日野原重明氏のインタビュー記事を読んだ。現在97歳、「百歳社会開発医」として生涯現役を宣言し、2005年には臨床医として初の文化勲章を授章している。
彼が寝るのはいつも深夜2時。1日18時間をフルに使い、手帳には海外出張など3年先までの日程がびっしり書き込んであるという。
「だから私は死ぬわけにはいきません」と、歳をとっても目標を持ち、勇気を持って実行する『輝いて生きる』ことをモットーとしている。
プロフェッショナルとして職業に命を賭け、生涯勉強し、プライドをもって行動する人生。
『隠居生活』なんていう言葉は、彼の口からは出てきようもない。
明日から3月。
桜の固い蕾たちは、あと1ヵ月後の開花に向けて光を浴びている。
木の葉を落とし厳しい冬に凍えても、何度でも繰り返す再生。樹木たちは老木となっても一生現役なのに、どうして人間だけ人生の春が一度きりなのか。
肉体は年老いた分、心は経験を積んで日々進化している。
遊んで暮らす隠居生活ではなく、キャリアを社会に還元する隠居生活であるなら、頭の惚けも遠ざかるだろう。
自分の使命は何なのか模索してきたけれど、輝く目標を定めるにはまだ遅くない。
コメント
どうも人間は死ぬまで、いやァ「自分が死んでいいかなァ」と思うまで現役のようですよ。最近の脳科学でいろいろデータが出ているようです。この日記を読んでる方に専門家がいらしたら是非説明して頂ければともいますが・・・。
私の知っている範囲では、脳障害を受け方の脳機能の代償(回復)は年齢に関係なく進むようです。過去一般に若い程回復がより早くより後遺症が少ないと信じられて来ましたが、それは正しくなく一般に高齢の場合は、脳以外の体力・肺活力・筋力等の周辺が低下している為に回復が難しくなる様です。
日野原重明先生の「生き方上手」(だったか?)を読むと、とにかく脳力と体力を使い続け限りは現役のようですね。いいですね好きな事(≒仕事)で定年が無いのは。
すいません追加させてください。
つまり「脳は年齢にあまり依存性はなく使える」と言う事です。
素浪人様
日野原先生のインタビューに、こんな言葉がありました。
「人間は親から22,000の遺伝子を受け継いでいる。
この中には認知症などの悪い遺伝子も含まれているが、例えば75歳の人が
病気を持っていても、その人の気力や意欲・行動力次第で、前向きに人生を
送ることができるはずだ」
つまりは年齢ではなく、自分の意思次第ってことなんでしょうね。
引き寄せの法則に似ています。
>桜の固い蕾たちは、あと1ヵ月後の開花に向けて光を浴びている。
今年もホッピー飲んで花見しましょうねw
こまちゃん
ホッピーだけで済みますかあ~?
ビールと焼酎と日本酒とワインとウイスキーと・・、あと何だったっけ?(爆)