アイドルはいつまで現役でいられるんだろう。昨夜NHKで放映されたSONGS 『ジュリー with ザ・ワイルドワンズ』は、時代のギャップを正視する居たたまれなさに戸惑った。
出演は新バンドを組んで活動を開始した、元タイガースの沢田研二とワイルドワンズのメンバーたち。5人の平均年齢63歳という還暦オヤジたちである。少しでも若者っぽく見せたいからか、みんな髪を金色に染めて、グループサウンズ風の衣装を着ているのは、皺だらけの顔がよけいに目立つ。最も見るに耐えなかったのはジュリーで、たるんだ頬に三重あご。声だけは衰えていないのが不幸中の幸いであった。ジュリヲタの皆さん、ごめんなさいっ!
首を傾げ、テーブルのチラシに目を落としたら「加山雄三 若大将50年! アリーナコンサート」の広告。エレキギターを抱えた加山さんの横に、ゲストはザ・ヤンチャーズとして、森山良子・谷村新司・南こうせつ・さだまさし・THE ALFEEの名前が載っているのを見て、ますます居たたまれない気分になった。シンガーソングライターと呼ばれた人たちも、お爺ちゃん、お婆ちゃんの歳になっていく。
加山雄三さんとは昔、『絆』というNTTタウンページのイメージソングを作詞したのが縁で、数年間に渡りコンサートの構成をしたのを思い出す。曲順を考えているうちに、ほぼ全てを暗記してしまい、今でもカラオケで歌えない曲はない。
全国ツアーが終了した打ち上げは、庭に大きなクリスマスツリーが飾られた加山邸。本人が寝ずに考えたというマニアックな○×クイズに、何十人ものお客がドタドタ走り回ったこともあった。
NHKの楽屋で「今日は織田さんに会うから、百合のネクタイをしてきたよ」と、小娘に向かって言ってくれたこともあった。オヤジではあるけれど、スタッフの名前まで気にかけてくれるサービス精神に感謝したものである。
そんな加山さんは今月で73歳。6月のコンサートでは『君といつまでも』の「ぼくは君といるときが一番幸せなんだ。いいだろ?」は絶対に言うんだろうなと、ライトを浴びた永遠の若大将を想像する。
居たたまれないと何度も口にしながら、最も居たたまれないのは自分かもしれないとテレビを消しチラシを畳んで、遠くなった昭和に溜息をついた。
コメント
還暦ジュリー 鉄人6時間半ライブ 2008年12月4日 CHUNICHI Web
歌手の沢田研二(60)が3日、東京ドームで「人間60年 ジュリー祭り」と題した還暦記念コンサートを開催した。11月29日の京セラドーム大阪に続く自身初のドーム公演で、幅50メートルのステージを駆け回りながら全80曲を約6時間半にわたって熱唱し、東京ドームで行われた単独コンサートとしては史上最長記録を更新した。
現役と言うか、若い頃と殆ど変わらないアイドルもたくさん居ますよね。
むしろ、年齢を重ねて輝いているアイドルもたくさんいますね。
時代と共にファッションやメイクも変わり、美容業界も発展しているので、それなりに外面も磨いている人は「今が一番」な状態ですよね。
少し前に歌番組で森高千里さんが出演されてましたが、スタイル、美貌ともにあまり変わってませんでした。
少し昔より痩せたかなと思うぐらいでしたね。
「キレイになったね」と周囲に言われるように頑張って行きたいものですね。
そう言えば、新入社員はもう平成生まれだね。
古き良き昭和の時代を思い出して、最近めっきり元気のなくなった日本が奮い立てばいいですね。
でも最近は「年相応」の基準がさっぱりわかりませんわ…。アラサーの元アイドルもハイティーンの現役アイドルも年齢差が感じられないし。
nina様
情報をありがとうございす。80曲の歌詞と振り付けを覚えてるとは凄い!ずっと声援を贈り続けたファンの体力にも感服しました。
marie様
森田千里さんは、ご主人の江口洋介さんと共にステキなご夫婦ですよね。
久しぶりに映画カムバックを果たした中山美穂さんも、なんて美しい大人の女になったんだろうと、羨望の目を向けてしまいました。
そして我に戻り、うーん、ダイエットせねば!!
的は逗子の素浪人様
平成生まれは子供だと思ってた時代ははるか昔になったのですね。
昭和が平成にかわった日は、よく覚えています。当時の恋人と歴史的な1日を祝おうと、彼のマンションまでタクシーを飛ばしたのを覚えています。その恋はあっけなく終わってしまったけれど、平成が次の年号にかわる時は、どんな日本になっているんでしょうね。
華梨様
ハイティーンは早く大人びるし、アラサー・アラフォーはいつまでも歳をとらないし、女性は年齢差がなくなってきましたね。もちろん陰では並大抵でない努力をしてるんでしょうけれど、進化したアンチエイジング技術に「イーストウィックの魔女たち」を連想してしまうのは何故かな。
初めまして。
私もそのNHK見ました。
ジュリーはかなりきつかったですね。
子供の頃のアイドルだったのに。
先日ワイルドワンズの加瀬さんにはお会いしました。
目の輝きは、今の若者以上にキラキラとして希望に満ちてましたよ。
きっと精神はお若いのだと思います。
湘南ミヤウチ様
加瀬さん、お元気だったのですね。良かった。
いくら歳を取っても湘南ボーイは大好きです。これからも潮の香りのする歌をいっぱい作って欲しいですね。