放課後の道草をした植物たち

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例年より遅めだけど、やっとツツジの咲く季節がきた。人も車も出払ったGWのオフィス街には、「都心にも自然があるんだよ」とでも言いたげに、歩道のツツジたちが赤やピンクに咲き誇っているだろう。

2010年5月1日

小学校からの帰り道。ツツジの花を取っては裏側から蜜をチューチュー吸って歩いたのを思い出す。夏には他所の家の垣根越しに手を伸ばして、細長く伸びたサルビアの花をつまんだこともあったっけ。

誰に教えてもらったわけじゃないのに、植物の遊び方はよく知っていた。
カヤツリ草を裂いて作る蚊帳。
シロツメクサで編む花冠や首飾り。
笹の葉で作る帆かけ舟。
ひっつき虫ことセンダングサの花を投げてダーツ遊び。
オシロイバナの種を潰してお化粧ごっこ。

ツクシやノビルは春の土手で大量に取っては、祖母に「もう要らない」と言われるまで毎日の食卓に上がっていた。

学校から家まで10分で帰れるのに、2時間かかることもザラだった道草。でも今の子供たちは下校指導が徹底し、道草という言葉も知らない。物騒な世の中、児童の安全確保のためには仕方ないことなのだろうけど、太陽の下での遊びの幅も狭まった気がする。

雑草はアスファルトの下敷きになっても、隙間から根強く顔を出す。キョロキョロ周りを見回して「遊び友達がいなくなったよ」と、大人たちにノスタルジーを伝える緑の季節である。

コメント

  1. 私の子供時分は皆自由だったように思います。
    あまり塾に行っている友達もいなかったし、習い事もそう多くな無かったようです。
    毎日暗くなるまで、暗くなっても、ずぅ~っと遊んでましたね。
    道草、今は懐かしく聞こえる言葉です。

  2. yuris22 より:

    湘南ミヤウチ様

    放課後に遊んで帰ると、家の外に漂ってくる夕食の匂いがとても嬉しかったのを覚えています。特にカレーの匂いにはお腹が鳴りました。今の塾帰りの子供たちには、温め直した食事が待っているんでしょうか。

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