大島紬をバリバリッと・・(=^・^=)

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フォーマルパーティーが来週に迫った。女性のドレスコードは着物もしくはドレス。久々に訪問着を着ていこうかと思うものの、保管状態が気にかかる。なにせ実家から持ってきた和服を桐の収納箱に入れたまま、数年間もほったらかしているからだ。乾燥した晴天が続いているのを見計らい、ついに虫干しを決行することにした。

うんうんと引っ張り出した収納箱を開けると、やっぱりカビ臭い。これは着て行けないな。
どれも亡き祖母が丹精を込めて縫ってくれた思い出の品で、半分以上は仕付け糸がついたまま。ブランド服を買う前に、どうして和服に目を向けなかったのだろうと後悔しながら、風通しの良い部屋に竿を渡し、一枚ずつハンガーにかけて吊るしていく。

そんな感傷的な気分を「今さら気にするなよ」とでも言うように、与六が登場。畳紙の上にピョーンと飛び乗り、尻尾をゆらゆら。お得意のいたずら大作戦が始まった。私が部屋を行き来している間に、大島紬の上に寝転んで寛ぎポーズ。うわーっ、毛だらけだ。

「どきなさい!」と叱れば、ニョピーっと伸びをして、ついでに爪を立ててバリバリ。高価な和服も猫にとっては、座り心地が良いかどうかで価値が決まるらしい。

かくして衣替え同様、虫干しの間じゅう与六がお手伝い。夜になれば広げた腰巻の上で爆睡している。さあて猫の手を払いのけつつ、どうやって和服を畳めばいいものか。風に揺れる絹衣を眺めながら、ぼんやりと途方に暮れる日曜日である。

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