梅雨入りを前にして花火のシーズンがやってきた。昨年は震災の影響で中止になった逗子海岸花火大会が、今年は6月2日の開催。海岸が浸食されて年々狭くなっていくハーフマイルビーチに、一昨年の8月のように12万人もの現物客が道路まで溢れると危険なので、海の家が建ち並ぶ前に行なうことになった。
一緒に見る仲間が毎年変わるのも我ながら不思議。今年はヨット友だちのお招きで、披露山公園脇の高台にあるマンションにお邪魔した。午後5時半、リビングからは真ん前の海に花火の打ち上げ船が3隻浮かび、ビーチではカラフルな敷物での場所取りが始まっている。
ワインボトルが矢継ぎ早に空いて、みんなの顔が酔いで赤くなってきた頃、下からワーッという歓声が聞こえてきた。134号線は葉山方向に大渋滞し、2時間前は余裕で座れたビーチが人の頭でいっぱいになっている。
今年で何回目になるのかな。第1部のグランドオープニングから第5部のグランドフィナーレまでの45分間は、はしゃいだ声で「きれい!」「すごーい!」と子どものように騒いでしまう。
残念なことに今夜は風が弱くて、煙が上空に停滞。せっかくの大輪の花がぼやけて見えないのが勿体なかったが、それでも最後の10分間、音楽とシンクロするグランドフィナーレは海が燃えているのかと焦るほどに明るい。鮮やかにドーン弾けて、はかなく暗闇に溶けていく花火の命。
今日は福島伊達市のの阿武隈川河川敷でも、震災からの復興を願う花火大会が開催され、8000発が夜空を染めたという。肩を寄せ合い、見上げて拍手する家族や友人たち。独りで昇った空から見おろして微笑む魂たち。きっと沢山の心が再会し、繋がりあった夜だったに違いない。
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