主治医とヤブ医者との大差

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腰痛が治らないままパソコンに向かうハードワークは続く。夜明けから取り掛かった諸々の仕事が何とか午後4時に終わり、1ヶ月前に予約を入れておいた横須賀の主治医のもとへ血圧の定期診療に出かけた。彼は行きつけの店の飲み友達であり、血液検査の数値が少々宜しくないことに片目をつぶってくれるし、「僕自身は抗がん剤以外なら、薬を飲んでいいと思ってるよ」と的確な処方もしてくれる。夜中にだって携帯に出てくれるスーパー主治医なのだ。

腰をかばって這々の体(ほうほうのてい)な私の様子を見て、今日は診察台で足を持ち上げるだけの簡単な診察。レントゲンもMRIもなしで下った所見は、単なる筋肉痛であった。神経が骨に当たっているなら激痛で足が持ち上がるはずがないと言うのだ。腰痛を酷くさせないためには手を伸ばして物を持ってはいけない、前屈みの姿勢をしてはいけない等のアドバイスを貰い、腰にコルセットを巻いて診察は終わった。

処方された薬は筋肉の緊張による痛みを改善する薬。しかも余計な出費をしないようジェネリックを指定してくれた。そんな気遣いに反比例して、2週間前に受診した逗子の整形外科は惨憺たる診察内容だ。レントゲン結果から「腰部脊椎管狭窄症」による「坐骨神経痛」という診断を下し、診察が終わるまで3分。この病気は治らないのだから痛みを取るしかなく、神経に作用する新薬を朝晩飲み続けなくてはならないと、1錠128円の薬を処方された。

楽になるには立っていた方が良いと言われたのも真逆。「何だそれは!」と主治医は怒り、出来るだけ腰を楽にする姿勢でソファーにふんぞり返っていたほうが良いというアドバイスだった。

今になって思い出すのは2週間前、整形外科の向かいにある処方箋薬局での出来事。頭に怪我をしたというご近所のおじさんが薬剤師に向かって、「あそこはヤブ、ヤブ」と何度も愚痴をこぼしていたことだ。「土曜の午後に診てくれる所がないから仕方なく来たけど、通いの医者だし診察はいい加減。あの医者はヤブだ。リハビリの客しか来ないよ」。確かに待合室にいるのは私だけで、あまりにも早く診察室へ通されることが不思議だった。

そして今日に感謝。単なるラテン系オヤジだと思っていた主治医は脳神経外科の権威(だったことを忘れていた)。「その痛みは神経のせいじゃない」の診断に惚れ惚れして、お礼を言い診察室を出たら待合室には患者さんがいっぱい。私が時間を取り過ぎてしまったのを申し訳なく思いながら、持つべきものは飲み友達だと確信した。「血液検査の結果よりも腰を治すことが先だから、仕事はほどほどにね」の忠告に従い、ゴールデンウィークはパソコンから離れて遊び呆けることにしよう。もちろんワインもほどほどにしておきます。

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