やむなく夜型にシフトした原因

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文筆業は夜型が多いと言われるが、ついに私も生活が昼夜逆転となった。マンションの長期修繕工事により朝8時過ぎから騒音に見舞われる。屋根からは頭を貫くような電気ドリルの音が絶え間なく響き、壁からは高圧洗浄で水がぶち当たる轟音。パソコンに向かっていても資料を読んでいても、耳がキーンとして頭がボーッ。集中力は1分と持たないことが判明した。長期修繕があることを分かってこの住まいを選んだのだから、管理組合や工務店の職人さんを恨むわけにいかず、ただひたすら4月末まで耐えるのみである。

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締切がある仕事なので、いっそ工事が終わるまで近くのホテルに泊まろうかとも考えた。しかし大量にある資料を箱詰めするのが面倒だし、騒音の中に愛猫を置いていくのは何より辛い。与六は窓から職人さんの顔を眺めて楽しんでいるようではあるが、足場という魅力的な巨大キャットタワーがあるため、何かの拍子で外に飛び出てしまったら取り返しがつかない。

 

もっと大きな問題として、ホテルに退避すれば身だしなみはどうする?ルームサービスを頼んでいては戴く原稿料を遥かに上回ってしまうし、ホームレスかと思われるボサボサ頭、毛玉だらけのルームウェアではコンビニに行くのもはばかれる。外に出るのはホテルのフロアに設けられた自販機との行き来だけになると思われて、あまりの不健康さに断念した。今だったら人目につかない夜中にゴミ捨て場まで歩いて月と星を眺め、ちょっとしたストレッチ体操などもして海の香りが混じる空気を胸いっぱい吸っている。

 

さあて明日は日曜日、仕事の電話はかかって来ないな。夜通し原稿書きをして白々と明けてくる空を眺め、疲れと睡眠導入剤が騒音に勝った睡魔となり、現実逃避の面白い夢を見ることを邪魔されない曜日だ。それでも仕事の電話であれば「起きてますよ!」とハイテンションな返事をするのだけれど、井戸端話の「ちょっと聞いてよ!」だったりする分には、内容に関せず「へぇ~、そうなの~」と口だけマシーンと化してしまう。ごめんなさいね。

 

しかし不思議なのは真昼間に、しかも騒音のせいで眠り半分な私の隣で、与六がひっついて爆睡してくれること。小鳥の鳴き声には耳をピクピクと敏感なくせに、電気ドリルの音は気にしないのである。ディズニー映画じゃないけれど、この工事期間のあいだだけ猫と私が入れ替われたらいいなあと願いつつ、先々の楽しみは桜の咲くころ。締切が終わった春にお花見で飲んで騒ぎたいと思っておりますので、どうか声をかけて下さいね。

よしっ、無い知恵を絞りつつ朝までもう1本書くぞーっ!

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