美容と健康のサバイバルゲーム

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いつまでも若々しく健康でありたいのは、人間ならではの願望だ。しかし医学が進歩して平均寿命が延びていくと、いったい自分は何歳まで生きるのか、身体が未知の領域に入っていくように感じる。呆けもせず、寝たきりにもならず、PPK(ピンピンコロリ)のグループに入れるかどうか、同年代たちのサバイバルゲームが始まったのかもしれない。

特にこの1週間は焦った。かつての飲み仲間が肝臓癌になったと人伝に聞いたり、ずっと連絡の途絶えていた友人から「倒れて救急搬送されて入院していた」と電話があったり、暗い話が立て続けに耳に入るのだ。次は私の番かなと不安になって、凝り性な性格は健康オタクにまっしぐら。半年前の私には有り得なかった暮らし方になった。

人付き合いを考えてアルコールは週1程度に復活したけれど、できれば蒸留酒を1杯だけで留める。食事は良質のたんぱく質と緑黄色野菜をたっぷり摂って、デザートはポリフェノール豊富な葛粉と黒砂糖少々で手作り。コンビニやファストフードは絶対に近寄らない。

美肌には基礎化粧品を使わずに水洗顔のみで、天然の保湿成分を引き出す。UVケアのしすぎはビタミンDが不足して骨粗鬆症になるので、午前中はベランダで足だけ15分の日光浴。ついでにストレッチ、腕立て伏せ、腹筋・背筋など自作のトレーニングメニューを行ったあと、帽子をかぶって家の周りをウォーキングする。

さらには薬に頼らない身体となるために、依存気味であった睡眠導入剤をやめる決心をした。酒代が不要になった分を書籍代に回して、活字を読むことで自然な眠気を呼び込む。嫌なこと・辛いことから逃げるのに、服用すると30分で眠くなるマイスリーは便利だったけれど、それじゃストレスは一向に無くならない。就寝前は読書タイム。生き方を示唆してくれる本を繰り返し読むことで、根本的な迷いを解消する方向に心を持って行ったのである。

「鳥は飛び方を変えることができないけれども、人間は決意次第で生き方の習慣を変えることができます」とは、100歳を越えて現役の医師である日野原重明さんの提言。喫煙、日々の食事、運動の有無などの習慣によって病気が引き起こされることがあるとして、「成人病」の呼称を「生活習慣病」という言葉に改称したのも日野原氏だ。毎日何気なく暮らしている中で、無意識的に続けている習慣は本当に良い物なのか。習慣の選択が心のありようも変えることに気付かなくてはならない。

自堕落な生活をしている人は魅力的に見える。しかし歳を取っても美しく生きるためには、リセットしなくちゃいけないタイミングがやってくる。2つに分岐した道の一方を歩き始めた人生の過渡期。変わっていく周辺の景色に驚いているこの頃である。

追記:
昨夜のYOMIURI ONLINEに「あいさつをしたり、朝食をとったりするなどの生活習慣を身につけ、家の手伝いをする子供ほど、スマートフォンや携帯電話を所有していてもあまり熱中しない傾向が、国立青少年教育振興機構が2日に発表した調査でわかった。」の記事が掲載されていた。
自分らしく、主体的に生きる方法を早くから身に付けているのは素晴らしい。大人たちもスマホに奪われている時間の膨大さに気づかないと。

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