たぶん大丈夫は本当に大丈夫?

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ビルの火災報知器が鳴ったとき、すぐに逃げ支度をする人はどれ位いるだろうか。
少々の不安は感じても、たぶん誤報のアナウンスが流れるだろうとタカをくくる。

こんな心理を「正常性バイアス」というそうで、外界からの異常を知らせる情報にも「きっと大したことはない」と、心を平静に保とうとする働きのことである。

テレビのニュース速報で地震のニュースと共に、津波警報が流れる。
逃げようかどうしようか、周りの人たちに合わせようと、部屋に踏みとどまる。
例えば今年1月13日に発生したM8.2の千島東方沖地震では、北海道内11万人に避難勧告が出たものの、非難率はわずか6.6%だったそうだ。

4月1日の日経新聞に、災害心理学の話が出ていた。
「人はなぜ逃げ遅れるのか」の著書で有名な広瀬弘忠氏(東京女子大学教授)によると、「大規模災害というと、群衆のパ二ックを想像しがちだが、実際はほとんど起こらない。亡くなるのは慌てて行動した人より、何もしなかった人の方が圧倒的に多い」という。

大規模災害が起きたときに備えて、企業にはBCP(事業継続計画 Business Continuity Plan)の策定が求められている。日本の中枢である東京に、今もし大地震が起こったら、日本の経済は壊滅的なダメージを受けてしまう。
アメリカの9.11同時テロでは、被害にあった企業の殆どがバックアップシステムを備えていたことからBCPに成功したのだが、これが日本の中小企業だったらどうだろう。

社員の安否確認はできるのか、業務はすぐに復帰できるのか、企業の社会的責任にBCPが組み込まれてきた今、金融機関サイドでもBCPに前向きな企業に対して金利優遇などの後押しをする動きが出てきた。

そして私もまず一歩。
防災士の資格を取るため、防災士研修センターで行われる研修に申し込んだ。
企業内に平時から防災への的確な意識・知識・技能を持った人間がいれば、社員だけでなく家族、近隣住民の1人でも多くの命を守れるのではないかと思ったからだ。

たぶん大丈夫は本当に大丈夫ではない。
「知る」ことから「助かる」「助ける」ことへ、小さな力でもこの国を守っていきたい。

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