雪に灯る消えそうな蝋燭

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冬の象徴のような冬至に生まれたくせに、私は冬が大の苦手だ。
寒さが嫌いなのではなく、この季節は心がブルーになったり不安定になったりするからだ。
特に今日みたいに冷たい雪が降り続くと、誰かに吹き消されてしまわないよう、蝋燭の細い火を死守している気分になる。

霊能力者である師匠・シンガポールのMaster Kohに理由を聞くと答えは簡単。「君は冬の弱い『火』だからだよ」。
古代中国に端を発する自然哲学「木・火・土・金・水」の五行思想が返ってくる。

誕生日から編み出せば、私の心身を構成している元素は『火』になる。
本来は夏の象徴であるべき元素なのに、冬至生まれの私は冬の真ん中に燃える火。しかも宿命として凍える魂たちを暖めるために、自らは「消えそうに消えずに」耐えているらしい。

“You、Kannonsama!”
占いのカードに現れたクイーンを指差してMasterが私の目を見据える。
もっと高いステージに上がるために、愛する人たちが幸せになるように、また今年も厳しい約束を課せられた。
“Don’t drink too much!”(お酒を飲みすぎるな)
“Don’t eat the beef for 49days!”(牛肉を49日間食べるな)

牛肉絶ちは今のところ掟破りは犯してないが(幹事を任された『しゃぶしゃぶ』宴会も、私1人だけ豚肉にしたしィ)、だけど飲みすぎるなはノーコメント・・にしよう。消えそうな冬の火は、アルコール燃料が必要なんだから許して欲しいものだ。

2008.2.3の雪

日が沈み、白い帽子を被った屋根たちの下には、明かりが灯り始める時刻。
窓の奥までは見えないけれど、暖かい部屋の様子は心の肌で感じ取れる。

テレビからは大雪情報を騒ぐニュースが流れているだろう。
子供たちは力作の雪だるまを窓から眺め、お父さんは今日使えなかったゴルフクラブを磨き、お母さんは皆で囲む鍋料理の準備に忙しいだろう。あと数時間でまた月曜日が来る刹那にため息をつきながら。

明日の朝は無事に出勤・登校ができるかどうか。ゴミ捨て場までお母さんが転ばずに行けるかどうか。
そんな小さな悩み事が食卓に上る幸せを、私は守っていける火になりたいと思っている。
愛してるよ、良かったね、美味しいね、楽しいね・・・。
独りで過ごす雪の夜なのに、沢山の幸せな声が聞こえてくることに感謝しながら。

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