結婚でも同棲でもなく・・

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年々進む日本の少子化傾向。子供を増やしたくない理由としては「子育てや教育にお金が掛かりすぎるから」という他に、未婚化・晩婚化が進んでいることも挙げられる。雇用の安定が得られない今は、親と同居のシングルが増えているのだ。

厚生労働省が先月発表した「合計特殊出生率」によると、1人の女性が一生に産む子供の数は、ワースト30のうち東京都の区市町村が23を占めるという。最下位は目黒区の0.74だが、このままでは都市部から子供の声が消えてしまいそうだ。

日本とは逆に、フランスでは昨年の出生率が2.02とV字回復(1994年には1.65だった)。その理由としては10年前に始まった連帯市民協約「パックス(PACS)」が功を奏したのではと言われている。
準結婚制度というか、結婚とも同棲とも違うカップルのスタイル。税金の優遇が婚姻とほぼ同じな上に、片方の意志だけで契約解消もでき、フランスに住んでいれば外国人でもOK。しかも生まれた子供の名字は両親の氏を名乗ることが出来るので、出生率も上がってきたというわけだ。

元来PACSは結婚のできない同性愛者カップルの要請から生まれたが、今では異性同士が利用する方が多いという。2007年には10万件を超える成立件数だ。

その一方で旧態依然とした日本。夫婦別姓法案は相変わらず国会提出が見送られ続け、事実婚やシングルマザーから生まれた子供に対しては社会的な寛容度が低い。婚外子への差別がある国なんて、今どき日本ぐらいじゃないだろうか。

そこに今月10日、政府が初会合を開いた「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」が意味不明。「結婚したいのに出来ない若者らを後押しするため、『恋愛』や『出会い』から議論しようという試み」とは、まるでティーン向け雑誌だ。

KYな国会議員たちが形骸化したルールにしがみついている間に、白けきった若者たちは税金など放り出して国外へ脱出していくかもしれない。
イソップ寓話の「北風と太陽」。旅人が脱ぐ上着はメイド・イン・ジャパンだ。

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