4月に入り、各企業入社式の模様がテレビで報道されている。
2436人を新たに迎えるトヨタ自動車の入社式で、渡辺社長が「現在の非常事態が、今後しばらく続くことを覚悟しなければならない」と険しい表情で訴えていたのは、他の企業も異口同音に唱える本音だろう。
日産自動車のゴーン社長も、新入社員342人に対し「皆さんは危機の真っただ中にあるグローバル自動車産業の一員となった」と荒海への船出を示唆している。
しかし入社式を終えて街に出たフレッシュマンたちは、意外にも明るい声だ。
「今が100年に一度の不況なら、僕たちが生きてる間は、もうこんな状況は起こらないってことですよね。ポジティブに行こうと思ってます」
「今がどん底なら、これから良くなるってことじゃないですか。先は明るいですよ」
日本がバブルに沸いていた当時、大卒は引く手あまたで、1人内定5社が普通だった。
その後バブルが崩壊してからは長い就職氷河期が続く。2007年に団塊世代が一気に定年退職を迎えることで、やっと12年ぶりに売り手市場となったと思いきや、急転直下で世界を襲う大不況である。
しかし今年の新入社員たちは負けていない。みんな逞しくて優しい。バブルを知らない世代だからこそ、必死に働き、節約を続けてきた親の背中を見て育っている。彼らが初任給の使い道を聞かれたアンケートで、第1位の回答は「親のために使う」だった。
少子化が進む中、国を背負って立つ責任の大きさは充分に知っている。高齢になった頃は年金が貰えないんじゃないかとの不安も抱えている。それでも自分たちこそが未来を切り開くフロンティアなのだと、目を輝かして意欲に燃えているのだ。
頑張れフレッシュマン!ポジティブな君たちがきっと日本を変えていく。真新しいスーツ姿が行きかう街は、復活再生の空気がみなぎっている。
コメント
お久しぶりです。あっ、でも毎日拝見させていただいてますよ。
私の年代は中学生の頃にバブル真っ盛り(だったらしい)。
高校生の頃は女子大生ブームandバブル崩壊。
憧れだった大学生活が始まった頃には女子高生(ギャルと呼ばれだした頃ですね~)ブームが到来。
不景気な時期の就活…、就活が初めてだったので就活の苦労も苦労だという感じもなく…。
運よく就職もできて結婚、子育て…、世の中のドコの誰が好景気だったかなんて全く知らないまま今回は大不況…。
なんて自分で笑ってしまう程です。
きっとスゴく良い時期を知らない分スゴく悪いとも感じないのでしょうか…?
ある意味ラッキーな年代ですかね?
まるこ様
いつもブログを見てくださってありがとう(^_^)
私もバブル期は体験してるんですが、残念ながら物書きは、いつの時代も儲からない職業です(^_^;)
先日ある女性社長さんとお話したのですが、彼女はバブル崩壊後、53歳の時に離婚。その時はご主人に親の財産を全て持ち逃げされ家は抵当に入れられ、子供を抱えて途方に暮れていたそうです。しかし成せば成ると起業して財を成し、今は悠々自適な毎日を過ごしていらっしゃいます。
世の中がどんな不況であろうと、要は本人の頑張り次第なんだなと勇気を貰いました。
良くも悪くも過去にとらわれないってことが、大事なんでしょうね。
ホント、フレッシュマンには頑張って欲しいです。
ついこの間まで、「近頃の若い者は・・・」なんてこぼされた(今もかな?)時代でしたが、大人が思っているよりも、子供達も若者もずっと精神的に大人だし、頭が下がる事があります。
我が息子でさえ、私よりも大人な面があって小学3年生とは思えないような発言があり時々驚きます。
これから生まれてくる子供達にとっても少しでも今より良い世の中になって欲しいと願わずにはいられませんね。
marie様
ゆとり教育世代は学力が低下したかもしれませんが、心はのびのびした人たちが多いように思います。でも2007年には中山文科大臣が見直しを支持したそうですね。そもそも円周率を3.14でなく、3で覚えたからといって、社会人としての生活に何の影響があるのかな。
子供たちにはスポーツや放課後の友人たちとの遊びを通して、精神力を鍛えて欲しいと思うのです。教科書からは学べないことが世の中には沢山あるのですから。贅沢は出来なくても、心が豊かに育った子供たちこそ、高齢化の日本を支えてくれるのでは?と思います。