ビーチハウスで大人のライブ

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やっと夏らしさが戻ってきた日曜日、久しぶりに小田急の片瀬江ノ島駅で降りた。目指すは片瀬東浜のビーチハウス”on the Blue”。友人のご主人がライブに出演するというので、お招きに預かった。

私の地元である逗子海岸と違うのは、改札を出たとたん中学生・高校生とおぼしきティーンたちで溢れていること。相変わらずの湘南ナンパスポットであるが、防犯および騒音対策として、今は午後8時半になると海の家は一斉に照明を落とす。警察が見回ると共に、江ノ島へ入るゲートもクローズするらしい。
老いも若きもディズニーランドみたいに管理されて、ずいぶんとクリーンになったものだ。不謹慎と怒られそうだけど、歌詞の題材がなくなったようで少々淋しい。

134号線をくぐる地下道を通って片瀬東浜へ上がると、夕暮れ間近の時刻。ステージのセッティングが完了するのを待ちながら、テーブルを囲んで「初めまして」や「お久しぶり」の乾杯をする。友人が友人を呼んで、席が賑やかになっていくのは楽しい。「最近ウクレレを始めました」「猫を6匹飼っています」。遠慮がちに自己紹介をしながら、海の家ならぬビーチハウスにデビューする。

オンザブルー

オンザブルー

“on the Blue”は、いつもヒップホップのレイブをやっている店だそうが、今日は大人の雰囲気。アコースティックギター、ヴァイオリン、パーカッションの演奏で、曲目は潮風の香りに相応しくサンバがメインだ。「マシュケナダ」、「ブルーハワイ」のサンババージョンなど、座ったままでリズムが取れる曲が続く。

ほろ酔い加減のころ、江ノ島弁天橋では久しぶりに富士山のシルエットがくっきり見える夕焼け。やがてオレンジから濃紺の空になり、星もクリアに輝いている。昔よく聞いた「ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス」に身体を揺らしながら、ステージの残り時間と夏の残り時間とがリンクする。模範的な大人であるほど、8月の後半は「やり残した」ことが沢山あるように感じるのは何故だろう。

江ノ島弁天橋

子供たちは既に帰った。照明を落とす時刻が迫り、昔はビーチの主人公だったおじさんおばさんたちが肩を並べて記念撮影。「当時はブイブイ言わせてたのよ」の話が出るまでには至らなかったけれど、今度一緒に飲むときには、一人ひとりの輝いていた湘南ストーリーを聞かせて下さいな。

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