ジャズクラブの生演奏と雑音と

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昨夜は鎌倉のジャズクラブDAPHNE(ダフネ)へ。お茶飲み友だちである斎藤クジラ誠さん&清水秀子さんご夫婦のベースとヴォーカルを聴きに行った。夕方には雪もチラついた寒さだったが、店内は高い年齢層で超満員。さすがベテランミュージシャンの集客力である。

ダフネ
都内に住んでいた頃は六本木のサテンドールによく行っていた。ジャズが好きというよりも、知り合いのミュージシャンが出演するから行ったのがきっかけで、まずは聴き方の練習からだった。真剣に聞き入ってるジャズ通たちの様子を伺いながら、どこを楽しめばいいのか模索したものだ。

驚いたのは、いつも冗談ばかり言っている音楽仲間たちが、ステージで楽器を奏でると別人になって輝きだすこと。イントロの探り合いから始まって、テーマ、アドリブ、掛け合い、エンディングと、リハーサルもしていないのに阿吽の呼吸。ヴォーカルだけでなく、ギターもベースもドラムスも、楽器を通して各々のメロディを歌っていると思うと、繊細な思考回路に引き込まれていく。

でも昨夜は参った。耳を澄ませば澄ますほど、聞こえてくるのは周りの雑音だ。スローな曲の最中に、甲高い声でお喋りに興じるオバサマたち。外れた音程で一緒に歌い出す酔っ払い。大声でスタッフに注文を告げるグループ。ガチャガチャと音を立てる食器。集中力が削がれてムカつきながら聴くジャズは、精神が真っ二つに分裂しそうになった。

所詮は飲んで食べてのジャズクラブ。険しい顔で腕組みしながら聴くような堅物ではないが、ステージの生演奏を自分の声で遮るという行為が私には理解できない。しかしこの程度でイライラする神経質な性格も何とかせねば。静まれ静まれ・・。

家に戻って一人ソファーに座り、グラスに赤ワインを注いで、Bill Evans Trioの”Walts for Debby”を聴いた。まだまだジャズとの付き合い方がこなれない。大らかさを次なる宿題として、当分は引きこもりリスナーになりそうである。

コメント

  1. muha より:

    ご謙遜ゞ々々…先生の情熱的なパフォーマンスは詞歌と(!?)拝見させて戴いていますよ!BGMならぬ会話語が表意訓だからサウンドが重ならないのですね。リリックとカンバセが融け合う瞬間の恍惚感がないとダメです。ジャズはファッションではなく音魂かもね。

  2. yuris22 より:

    muha様

    電車の中の携帯電話と同じ理屈かもしれませんね。耳に入っちゃう内容が気になって、「なぜ私があなたの話を聞かなきゃいけないの?」って腹が立つ。
    聞こえてくるお喋りが英語だったら、歌に混じっていたかもしれません。

  3. こまちゃん より:

    有楽町のスイング位しか行ったことないんですが、
    みんな音楽を聴きに来てましたねぇ。
    他のお客さんの迷惑を考える、大人のお店でしたが、、、
    品のない大人が多いですよね。il||li(‘A`)il||li

  4. yuris22 より:

    こまちゃん

    皆が知ってるポピュラーな曲だと、わりと大人しく聴いてるんですけどね。ちょっとマニアックな曲になったとたん、「それでさあ!」とお隣同士の話に夢中。頭の中身が知れます。

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