女子校時代に心が戻った日

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昨日は友人たちのクリスマス・コンサートを聴きに逗子の教会へ行った。ツリーが飾られた聖堂に座るのは久しぶりで、湘南白百合学園に通っていたティーンエイジの頃を思い出す。中学受験で入学した私にとってカトリック教育はまるで異国に来た気分。「主の祈り」と「天使祝詞(アヴェマリアの祈り)」を丸暗記することから始まって、ミサではベールを被った女性信者を羨ましく眺めながら、負けじと「アーメン」を言うタイミングを図ったりしていた。

お祈りもすっかり板についた頃、嬉しかったのは朝礼で聖歌(讃美歌)を歌う大役を戴いたとき。放送室でマイクの前に立ち、中高の全校生徒に向けて歌う係だ。二人一組なので失敗することはなかったけれど、曲目はその朝に告げられるので、初めての曲の場合はぶっつけ本番で聖歌集の音符を追ったものである。

今でも空で歌える大好きな曲はカトリック聖歌305番「みははマリア」。

♪み母マリア 身も心も
 とこしなえに 献げまつる
 朝な 夕な 真心もて
 君をのぞみ 慕いまつる
 みめぐみこそは きよき慰め
 輝かしき 君がかむり
 うるわしき 君がえまい
 ああ我ら深く 慕いまつる

 み母マリア この汚れし
 我らの身を 清めたまえ
 この憂世(うきよ)を しばし避けて
 とわの栄え 仰ぎまつる
 花咲き匂う 天(あめ)のみ国へ
 たどる道を 照らしたまえ
 いまわにも みめぐみもて
 罪あるこの身を 守りたまえ ♪

美しいメロディと宝塚歌劇団みたいな歌詞が女子校にマッチして、属していたコーラス部でも定番となっていたが、よく考えてみれば臨終の歌。しかしキリスト教での臨終とは地上での罪が許され、神のもとへ召される安息への旅立ちなのだから、決して悲しい歌ではないのだろう。

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昨日のコンサートではシューベルトの「アヴェマリア」やモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が歌われ、これもまた懐かしさでいっぱい。♪Ave verum corpus natum de Maria Virgine♪というラテン語の歌詞もちゃんと覚えていて、心の中で一緒にコーラスすると時間が逆戻りする。

教室のスピーカーから流れる私の声はどう聴こえただろうと思いを巡らしながら、セーラー服を着たクラスメートの顔が出演者たちの顔にオーバーラップした。

コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    つたの絡まるチャペルで、祈りを捧げた日、、、
    良いですね。

  2. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    その歌の時代よりは後でありましたが、教会の清められて凛とした空気は大好きです。
    もうすぐクリスマス。信者ではなくとも溜め込んできた想いを持って、近くのカトリック教会へ御ミサに行ってみようかと思っております。

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