買取の対価に見合わない古本

広告

夜は毛布を被って寝るほど涼しかった部屋に、いきなり訪れた夏日。関東内陸では気温39度に達した地域もあるらしいが、逗子市の高台にある我が家では、ある時間帯に達するまでは窓を開けるだけで何とか凌げる。

DSC_3410
しかし海岸地帯特有の、陸風と海風が切り替わる夕凪は地獄。西陽の直撃を受ける2階の書斎はサンルーム化する。横を見れば、飼い主と同じ部屋に居たい与六が、毛むくじゃらの肥った身体でゴロゴロ。さらに暑苦しさを増す。一人住まいなのだから、書斎を1階のリビングに移せばいいと分かっているけれど、決断できないままもう何年が経ったか。接客スぺースを物で溢れさせるのだけは止めておこうと、最後の牙城を守っている。

DSC_3423
物書きにとってのワーキングスペースは、資料の万年床。私の場合は文筆業とプログラミング業という二足の草鞋なので、分野の違う山があちこちに出来ている。「あの本は、このあたりに・・」と手を伸ばせばガサッと崩れて、あーっ!と自分に怒りをぶつけつつ、用が済めば元の場所にギュッと差し込む。なまじ本棚に仕舞わない方がリスクが少ないのは、以下の理由による。

大きな作業が一段落したら、我慢が限界に達して整理整頓に取り掛かるのはいつものこと。前回は2か月に及ぶ缶詰め状態が終わったゴールデンウィークに、初めて古本の宅配買取サービスに申し込んだ。せっせと段ボール箱に本を詰め込んでいく途中、我を疑う出来事が勃発。同じ本が2冊、それも帯が付いたままの新品で揃っているではないか。ベストセラーとなった「わたしはマララ」、ここぞと言う時に使う著名人の名言集・・・、あれっ、この本もまた!?と悲しい発見をするのだ。誰のせい? はい、私のせいです。

玄関に積み上げた段ボール箱が引き取られていくのを見送って、残った楽しみは買い取り額。新品が幾つも入ってるのだから高いはずと皮算用していたら、メールで届いた買取査定結果は6,144円だった。迷いに迷う選別作業で一晩費やしたのに、2階から1階へと腰を痛めて段ボール箱10個を運んだのに、たった一回の飲み代分にしかならないなんて。

あれから2か月。今回は延々苦しんだプログラミング作業が一段落し、文章制作の仕事へと切り替える時期が来ている。汗だくの猛暑が来る前に整理整頓しなくちゃいけないな。とりあえず今夜は冷えた白ワインを小脇に置いて、何が出るかお楽しみな山の切り崩し作業に入ることとしよう。因果な商売、でも好きで選んだ商売なのだから仕方ないよね。

コメント

// この部分にあったコメント表示部分を削除しました
タイトルとURLをコピーしました