バス停が好きだ。
時刻表通りに来ないバスを気長に待つのが好きだ。
それは田んぼの真ん中を走る国道。気温32度の夏休み。
ディーゼルの排気臭が行きかう風の中で、麦藁帽子を押さえながら待つバス停。
それは小雨が止まない病院の前。たぶん一台が行ったばかり。
ポツリポツリと私の後ろに、無言の待ち人たちの傘が並んでいくバス停。
それはターミナルに向かう夕暮れ。渋滞のイライラに加わる東京。
携帯のメールを操りながら、暇つぶしを探す人たちが溜息をつくバス停。
それは樹木が手足を広げる7月。梅雨の終わりを予告する色褪せたアジサイ。
待ち合わせの時刻を気にしながら、でも待ってくれる人がいる幸せに浸るバス停。
やがてひょっこりとストライプのボディが現れる。
ポケットの小銭を確かめて文庫本を閉じる。
人生のほんのほんの小さな中継ぎを終えて、次のシーンに向かうバス停が好きだ。
コメント
10年以上前ですが、仕事で川崎に行ったときに
多摩区辺りでバスの乗り継ぎをしました。
あの時のイメージが頭の中に再現されて
なんだか懐かしく思えます。トトロのシーンみたいw
こまちゃん
トトロですか~。
大好きな映画です。
うちにやってくる押しかけ猫のリズが、
夢の中で「猫バス」に化けそうです。
なんと美しい一瞬を映し出すのか・・・
あの「蚊帳の写真」でその感性の一端がわかりました(?)、いや わかったつもり・・・
なぜ、自分がそう出来なのか・・・嫉妬します。
なぜ、神は不平等なのか???
でも「リズの猫バス」は見たいなぁ~~~
詩人たそがれ様
実はリズがまた来たんですよ。
裏返してオスかメスか判定しようと思ったんですが、
あまりに重たそうなので諦めました。
下から覗いたところでは・・メスでした(笑)
色気ないコメでごめんなさい
でも、一見で「リズ」と名づけた管理様の直感はすごいですね。
「リズの猫バス」は女人禁制ですね。