昨日に続いて三崎の悪夢シリーズ。
数年前の夏、ちょうど今頃の時期だったろうか、ヨット仲間4人で東京から油壺に向かっていた。
三浦縦貫道路を出た途端に大渋滞。
特に急ぐわけでもないが、クーラーボックスに入れたビールやワイン、おつまみが気になる。要は早く着いてクルーザーを出し、海の上で宴会をしたいからだ。
気の短いドライバーがいきなりウインカーを出して左折。車1台走るのがやっとの農道に入った。ナビは付いていないけれど、ヨットマンの勘が物を言うらしい。
両側は一面のスイカ畑。空いているのを嬉しいことに、夏草を踏み潰しながらアクセルを踏んだら、突然ガッタンコ、ガッタンコ。
慌てて車から降りて見ると、前後2輪がバーストしている!
どうしよう、JAFを呼ぼうか。いや、このスイカ畑のど真ん中をどうやって説明する?
仕方ない、誰かが犠牲になって下のガソリンスタンドまで歩いていくか・・。が、ウネウネと曲がった農道は、下までたどり着くのに1時間はかかる。しかも立っているだけでも汗だくの灼熱地獄だ。
とりあえずどこかへ退避せねばと、近くにあったスイカの箱詰め作業小屋へ車を動かした。
幸運にも小屋の脇に軽トラックを発見。あれを借りるしかない!
作業中のおじさん、おばさんたちに交渉開始。おずおずと差し出す1万円札も受け取らず、快く承諾してくれた彼らの好意により、ヨットマンたちはタイヤを買いに軽トラックでガソリンスタンドへ向かった。
たぶん戻るまで30分はかかるだろう。1人取り残された私は、クラクラしながら車の脇で暇を潰していた。
「おねえさん、暑いだろう。これ食べなさい。」
親切にもおばさんがスイカを丸ごと1個、差し出してくれたのだ。
しかし私は途方にくれる。
「そこに包丁があるから、切って食べなさい。」
それでも笑いながら途方にくれる。
不思議そうな顔で、おばさんはスイカに包丁を入れ、よく熟れた一切れを私に手渡す。
困った。とても困った。だって私はスイカが大嫌い!なのだ。
果物のくせに酸味がなく、手や服までビショビショにするスイカ。掘っても掘っても種が出てくる、徒労を要するスイカ。子供のころから目の敵にしてきたスイカ。
それでもおばさんの好意を無駄にするわけにいかず、勇気を出してかじった赤い果肉は・・、生ぬるくてやっぱり不味かった(;O;)
で、その日はどうしたかって?
無事タイヤも復活してヨットハーバーまで行ったものの、みんなが不機嫌。
今さら船を出す気力も体力もない。
陸置きしたクルーザーの上で蚊に刺されながら飲み食いをして、さらに不機嫌になって帰途についたのでありました。
コメント
船にはトラブルがつきものですね。
東京湾の流木でスクリューが壊れたり
第3海堡で捕まったりw
真夏のスイカ畑、、、は無いなぁw
こまちゃん
友人は大島で2回ヨットを転覆させています。
ひっくり返っても元に戻るから大丈夫と言われますが、
誘われても丁重にお断りしています(・_・;)
スイカが嫌いだったんだ・・・人それぞれですね。でも早めの修復ができたんだから本当は、ラッキーって、海上で祝杯あげても良かったんだけどね・・・。そう思います。
ごめんさい、連続で吹きました!!!
失礼ですが、海に出る人になのに「準備不足、計画性の無さ」には???? 命の問題なのに・・・。
スイカが嫌い? 管理様には失礼ですが
わっしは飲み食いに好き嫌いはありません、
全て「命と縁」を頂いていると考えています。
マジレスすぎましたか???
Manta様
何と言おうか、祝杯をあげるにも覇気がなくなったって感じですかね。
もちろん都内に帰ってから、焼き鳥屋で大騒ぎしましたよ(^_^)
詩人たそがれ様
ヨットマンは陸には疎いのです。
スイカはね、まずあの縞模様がいけません。
食べたときの「サクッ」は背中がゾクゾクします。
生まれる前からの天敵なのかなあ。
わーははははは・・・。
スイカが嫌い・・・、あはははは・・・!
『49日間スイカ断ちをしている最中です。』と言えばよかったのに。
亀吉様
スイカを見るとね、嫌いを通り越して切なくなるんですよ。
親戚の家、友人の家・・、せっかく出してくれたのに悪いと思い、
何とか口に入れた辛い思い出が蘇るのです。
スイカが嫌いな人って、他にもいるのかな。