クラプトンに行かない理由

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エリック・クラプトン来日公演の宣伝が盛んに流れている。
大の日本びいきだという彼の公演は、1974年から始まって今回で16回目。
私は2003年12月、日本武道館へ聴きに行ったときの思い出が胸に新しくて痛い。

当時付き合っていた彼はビンテージギターをコレクションしていて、ギター談義になると話が止まらない。
毎晩近くのミュージックバーに出かけては、売れないギタリストの応援をしつつ、スタッフやお客に自慢のウンチクを傾けていた。

そんな折りに、ギターの神様クラプトンの来日を聞いた。
私はクリスマスプレゼントにと数ヶ月前からチケットを2枚用意し、バーでは度々”Wonderful Tonight”や”Layla”をリクエスト。
コンサートの後はどこに飲みに行こうかと、余韻に浸る計画まで準備していた。

やがてイルミネーションが煌めく12月。
武道館のアリーナ席で私の隣にいるのは、仕事でお世話になっている先輩だった。
彼とは1ヶ月前に大喧嘩して、別れると宣言。意地を張り続けている間にコンサート当日を迎えてしまったからだ。

アンコール曲はアンプラグドの”Over the Rainbow”。ロマンティックなメロディーを聴きながら、愛する人と肩を寄せ合えなかったことを悔やんだ。
聞けばその晩、彼はいつものバーでIWハーパーのダブルを飲みながら、周りから見れば気の毒な程に陽気に騒いでいたという。

多少ギクシャクしたけれど、あくる年の初春に仲直り。
次回のクラプトンには必ず一緒に行こうと約束したのに、2006年の公演を待たすして、彼は天国へ旅立ってしまった。

それ以来クラプトンは封印したまま。
でも淋しくなんかない。

今、私の手元にあるのは新しい愛と、来週に迫ったビリー・ジョエルのチケットが2枚。
肩を寄せて”Honesty”を聞けますように。
どんな天変地異が起ころうと絶対に行くんだと心に決めている。

コメント

  1. 素浪人 より:

    「ビリー・ジョエルの“Honesty”」
    学生時代、先輩の下宿でオープンリールのテープレコーダーを回して聞きいた思い出があります。とても澄んだ歌声でしたね。

    是非、2人で彼の世界に浸ったください。
    きっと「天変地異」なんてありませんよ、私も祈ります。

  2. 波に乗るさかな より:

    いいですね~。好きなヒトとお気に入りの曲を聴く。

    僕はもう若くない年齢ですが、コンサートに行ったことがありません。(国宝級?)
    あるアーティストのコンサートには必ず行きたいと思っているのですが、彼は中々海を渡って来てくれません(笑

  3. 風小僧 より:

    ビリー・ジョエルですか。
    「honesty」は心情でしょうか。
    いい曲ですね。

    ストレンジャーも如何でしょうか。
    ピアノの音色で、心の方と良い時間が過ごせると思います。BGMにも最高なビリー・ジョエルですから。

  4. yuris22 より:

    素浪人様

    祈ってくださってありがとう。

    オープンリールとはプロフェッショナル。
    ビリー・ジョエルの見た目は変わっても、歌声はレコード時代の昔から変わっていないでしょう。
    浸ってきます!

  5. yuris22 より:

    波に乗るさかな様

    あるアーティストって誰だろう?
    彼が初来日したときが、波に乗るさかなさんのコンサート初体験。さぞや大感動でしょう。
    国宝級になるまで取っておいて良かったお楽しみですね。

  6. yuris22 より:

    風小僧様

    「ストレンジャー」はアルバムの絵が目に浮かびます。
    更にもうひとつ、「Just the way you are(素顔のままで)」も心情です(^.^)

    いい曲・いい歌詞は何年経っても色褪せないものですね。

  7. たけぞう より:

    素敵な恋は探し続ければ見つかるのですね。
    ちょっと勇気をもらいました。
    yuriさん、お幸せに!
    最高にハッピーな夜を。

  8. yuris22 より:

    たけぞう様

    ありがとうございます。
    たけぞうさんにも世界一の恋が訪れますように。

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