いきなりシモの話になるけれど、私は人前でオナラをしたことがない。どうしても我慢できない時はトイレに駆け込むか、身体に悪いと思いながらも下っ腹に逆流させて耐え忍ぶ。
昔付き合った人の中には「愛しているならオナラをしてみろ」と強要してきた彼もいたが、誰かが居たら出ないものは出ないのだ。
ついでに言えば人前でのゲップはもっと嫌だ。食事の席で向かい合った相手が「ウゲ~」と大っぴらにゲップをすると、口からオナラが出たように思えて途端に食欲が失せる。欧米では非常に下品な行為とされているそうだが、日本ではマナー違反ではないのだろうか。
他の人はどう思っているのか、「コトノハ」のサイトを見てみた。
「人前でゲップをするのはマナー違反○×」に対して、圧倒的に「○」を付けたコメントが多い。「気分悪くなる」「特に食卓でするのは最低ね」「通じる冗談でもなければ、音は出さないでいただきたい。」「よほど親しい間柄でも嫌」「仕方ないけど口は覆って欲しい。嬉々としてやるひとは許せない」「とりあえず、豪快なのはやめよ。」等々、致し方なくても不愉快だとする意見が並んでいる。
出物腫れ物ところかまわず。生理現象を我慢するのは、健康には良くないだろう。しかし出てしまった時には、親しき仲にも礼儀ありで「失礼」「ごめん」ぐらい言うのがマナーであって欲しい。
私の実家では家族がオナラやゲップをするのを聞いたことがない。従って私も生理的な音は人前で出してはいけないと思って育った。例えば食事をする時にクチャクチャと音を立てるなんて問答無用。爪楊枝のシーシーチュッチュ、入れ歯のコロコロ、口を開けてガムをニチャニチャ噛む音も、近くで聞かされるとイライラして気が狂いそうになる。蕎麦を食べる時のズルズルッは日本の食文化なので我慢はするが、私には絶対に出せない音である。
俗に「匂いフェチ」と言われる人たちがいる。一日中履いていた靴下とか、足の爪とか、汗をかいたシャツの脇の下とか、鼻をつけて嗅ぐと快感を覚える人たちだ。
それと似たように、ゲップやオナラ、食事のクチャクチャを止めない人は「音フェチ」なのかもしれない。自分の匂いと同様、自分が生理的に発する音は、聞いて心地よい音なんじゃないだろうか。人前でやるかやらないかの違いだけだ。
爽快と不快、好きと嫌い、笑いと涙、男と女・・、世の中は殆どが表と裏のペアで成り立っている。どちらか片方が無くなれば議論もなくなり、つまらない世の中になるだろう。チマチマと文句を言っているうちが、健康で平穏な証拠なのだと思うことにしよう。
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