是々非々か恩知らずか

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政界のルールは貸し借りに厳しく、義理人情、仁義が重んじられるという。今朝のYOMIRI ONLINEの記事「怒りの矛先は橋下知事、自民大阪は批判の嵐」はまさに、「借りは返せ!」の典型である。
自民党大阪府連の会長職を辞任した中山太郎・元外相が、幹部会で怒りの矛先を橋下府知事に向け、「我々は彼のために全力を挙げたのに、自民党候補との選挙ポスター撮影をお願いしても、断られた」と恨み節をぶったというのだ。

これに対し府知事は、3月に自民・公明がWTCへの府庁舎移転を否決したことを引き合いに出し、是々非々で応える旨の発言をしている。

橋下徹氏が自民党大阪府連の推薦を受けて、府知事に当選したのは2008年1月27日。首相自らが「背水の陣内閣」と命名した、福田康夫内閣の時である。9月には「あなたとは違うんです」で辞任。政府への反感をさらに増大させた麻生内閣。背水の陣どころか陥落寸前の牙城にいる自民党候補たちと、いったい誰が喜んでポスター撮影になど応じただろう。

まるで幕末の世。大政奉還の成立に尽力した志士、坂本竜馬の名言が浮かんでくる。
「義理などは夢にも思ふことなかれ。身をしばらるるものなり」
「恥といふことを打ち捨てて、世のことは成るべし」

別に橋下府知事の肩を持つわけではないが、政権交代で自民党武士たちの時代は終わったのだ。選挙ポスターの撮影を断られたから自民が負けたわけじゃあるまいし、八つ当たりして何になろう。所詮は義理を売る事で利益を得る輩だったのだと、公に露呈してしまったようなもの。恩義を自ら口に出して求める人間ほど浅ましいものはない。

定額給付金支給が全国一番乗りした青森県の西目屋村では、「これを機に、自民党を応援しますか?」の取材に対して村民たちが答えていた。「それと選挙は別だ」と。
義理とは友人にお金を貸すときと同様、「返ってこないもの」「あげたもの」と認識する方が、後々までしこりが残らないのかもしれない。

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