センチメンタルな誕生日

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私は天皇誕生日の前日に生まれた。よって週の半ばであっても祝日前夜となり、時節がらクリスマス&恋人ムード一色となる。
パティスリーのホールケーキにはMerry Christmas!のデコレーション。フラワーショップには真っ赤なポインセチア。繁華街に輝くイルミネーションの前には自撮りするカップルたち。中学・高校・大学とミッションスクールに通ったのだから文句は言えないが、キリスト様の誕生日周辺は、いやもっと前、ハロウィンが終わった時からジングルベルが鳴り響く季節となるのである。そこには宗教なんて関係なく、欧米から伝わって来たロマンティックな習慣を飲んで騒いで愛を確かめ合って(?)、盛り上がるだけのスペシャルナイトだ。

世界的イベントを楽しむのは悪いことじゃない。でもそこに置いてけぼりにされる誰かが悲しい。これまで12月22日を当日に祝ってくれた人を思い出せば「・・・」。一人っ子だった私の親は仕事やプライベートが忙しく、愛をお金で済ませようとした。小学生のころ、友人たち数人が集まってくれた時もそう。サンタが乗ったクリスマスケーキが用意されているのに、電話予約されたアイスクリームケーキが届き、親代わりだったおばあちゃんは芋の煮っ転がしが出せずにアタフタとした。僅かな人数でそんなに食べられるはずがない。

これまでに誕生日当日を一緒に祝ってくれたのは誰かなあ。記憶を遡って辿りつくのは、10年前に亡くなった恋人だけだ。馴染みの店を借り切り、大きな花束とエルメスのブレスレットをプレゼントしてくれた。そのゴージャスさには驚いたけれど、もっと驚いたのはこんな私のために集まってくれた友人たちの数。「絶対に来いよ!」と脅しを入れてまで、傲慢で嫌われ者だった女を喜ばせようとしてくれた彼は、私にとってキリスト様を上回る愛情の持ち主だったのだと思い起こされる。

今年も残り2か月ちょっと。10月末にはハロウィン&友人のバースデーパーティーがあり、浮足立っているうちに12月のクリスマス連休が来るだろう。そのとき誰と何処で一緒にいるのか、たぶん与六ニャンだろうな。義理で集まる方たちには「ありがとう、ごめんなさい」だけど、花束もシャンパンも要らないから、本当にこんな私を必要としてくれる人と誕生日を過ごせたら幸せである。

晴天が続いて、今夜はオリオン座流星群が見られる。たった一つでもいいから流れ星を見つけて、誕生日への願いをかけられますように。星として空に昇った沢山の命たちは、地球に残した愛する人間たちの願いを叶えようとして、キラキラと瞬く返事をしているのだと思っている。

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