愛しみあう命の島(屋久島の旅2)

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屋久島の全周は105km。旅の2日目はホテルのある麦生を出発して、海を左側に見ながら一周することにした。

まずは尾之間温泉で足湯を楽しんでから、水のパワースポット「大川の滝」へ。
日本の滝100選に入っている高さ88mの豪快な清流だ。
ゴツゴツした岩をおっかなびっくり乗り越えて行くと、滝壺まで近づくことが出来る。
「ここで泳ぎたーい!」連れの女性があげる歓声に、キングコングの映画を連想した。

大川の滝
大川の滝2
大川の滝3

路線バスが走っているのはここまで。
乗用車がすれ違うのも厳しいほど道幅が狭くなり、木漏れ日がキラキラと道に落ちる西部林道へ入っていく。
車をゆっくりと走らせる理由は、ここでの主役は人間ではなく動物たちだから。
しなやかな身体で跳ねていく屋久鹿や、のっそりと道路を横断する屋久猿がそこかしこに登場する。どちらもこの島ならではの小さなめなボディだ。

屋久鹿
屋久猿1
屋久猿2

写真は飛んできた木の枝を無心に食べている屋久鹿たち。
そして恍惚の表情でグルーミングをしている屋久猿たち。
赤ちゃん猿を間にはさみ、お父さん猿がお母さん猿の蚤取りをしている光景には微笑まずにはいられない。
道路の真ん中では寝そべった猿が、2匹の美女(?)からサービスを受けている最中。ブレーキ音をたてないようにゆっくりと近づくと、しょうがないなとちょっとだけ避けてくれた。

林道を過ぎればまた道幅が広がって「屋久島灯台」。ウミガメの産卵で有名な「永田いなか浜」。さんご礁の白い砂浜に記念の足跡をつける。

屋久島灯台
永田岬
永田浜
永田いなか浜2
永田いなか浜

ちょっと遅めのランチは、ガイドブックには載っていないけれど地元民には大人気のラーメン店「琉誠(りゅうせい)」で。
週末限定の屋久島ラーメンは、能書きがすごい。「一湊のさば節、安房の飛魚使用。魚系スープと鶏骨、とんこつのトリプルスープ」。細麺の上に炙ったチャーシューと青い刻み葱がたっぷり乗った、一杯700円では申し訳ないほどの極上ラーメンだ。

屋久島ラーメン

満腹感に浸りながら出発。
前日に降り立った屋久島空港を過ぎて、安房林道へ。島の中心部へ向かって、夕暮れの木漏れ日の中を「紀元杉」に会いに行く。
樹齢3,000年の屋久杉に、ツガ、ヒノキ、ヤマグルマなど20種類もの植物が着生(樹の上に他の植物が根を這わせて育っていくこと)している。

紀元杉
紀元杉2
紀元杉3

紀元杉の幹に耳を近づけて目を閉じ、音を聞いてみた。
どうしてだろう、とても弱々しい息遣いしか聞こえてこないのだ。私の意識も樹の頂上までしか登ることが出来ず、大地と空とを繋ぐ「気」のラインが見つからなかった。

根を降ろした場所から動くことが出来ず、大気汚染からも人間の邪気からも逃げられない乾いた命。「疲れさせてごめんね」と頭を下げるしか出来なかった。

世界自然遺産の森。愛しみあう屋久猿の家族のように、この孤独な老木の脇にも新しい命が育まれていくことを望まずにはいられない。

コメント

  1. ツネ2 より:

    当分ゆったりとした旅とは縁がないのでうらやましいです。
    今、出かけて行く目的は山、川、海に会いに行き
    そこの自然の力を体で知り、そして筋肉痛になること。
    それでも、そこにはまた引きつけられる何かがありますね。
    不思議ですね。

  2. yuris22 より:

    ツネ2様

    昨日(12/4)帰ってきたときは何とも思わなかったのですが、今朝になって
    気づいたこと。
    身体中が痛い!
    5日分の筋肉痛が一気に襲ってきました。

    たぶん滞在中は、それを感じさせない魔法にかかっていたのでしょう。
    不思議な島としか言いようがありません。

  3. 屋久島有志 より:

    ご滞在期間中はお世話になりました。笑いの絶えない毎日で、ストレスが一気になくなった感があります。またいつか機会がありましたら、是非ご来島下さい。またきっと悠久の島屋久島が包み込んでくれるでしょう。ありがとうございました。

  4. yuris22 より:

    屋久島有志様

    うわーっ、嬉しい!!
    文面を通してお顔が見えるようです(^_^)

    わずか5日間の滞在でしたが、家族が一気に増えたような気分です。
    何から何まで本当にお世話になりました。

    またいつかと言わず、必ず行きます!
    自然の宝庫・屋久島が世界の中心になるように、応援しますからね。

    次回までにもっとギャグの道に励んでおきます(笑)

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