不況の煽りを受けて、民放局は広告収入が激減。番組制作費もカットせざるを得ず、通販やバラエティ番組ばかりが増加しているという。
早急に景気が回復するとは思えず、心配なのは2011年にアナログから地上デジタル放送への完全移行ができるかどうかだ。
テレビ局は放送機器を地デジ用に変更する投資を強いられているが、地デジになったから広告収入が増えるわけでなく、利益が見込めなければ銀行融資もない。赤字に転向した局にその資金繰りが出来るのだろうか。
そもそも不思議なのは、地デジへの移行が決まった背景だ。
キー局の役員に裏話を聞いたところ、テレビの理屈も判らない政治家や役人が、国民へ説明することもなく、電波の利権がらみで法案を通してしまったからだという。
それではデジタルの方が画質が良いかというと、最新の技術力があればアナログも負けていないらしい。ますますもって2011年に向けて急ぐ意義がわからなくなる。
すでに総務省では中継局に1兆円もの予算を注ぎこんでいるが、地方への投資はまだ数千億円が必要。ビルの陰になって見えないのを改善する難視聴対策のコストも兆単位になるという。
視聴者サイドでは、地デジ対応機器の世帯保有率は9月の時点で47%、実際に地デジを見ることができるのは38%。生活苦で機器が買えず、アナログ放送廃止と共にテレビがガラスの箱になる世帯がどれほどあることか。無償でチューナーを配布すればまた税金がかかる。
いったい誰に利があるのか地上デジタル。CMで草彅剛くんが語る「地デジ」の意味さえ知らないお年寄りには、遠い異国の出来事かもしれない。
コメント
ふたたび こんばんは 画面の大型化は確かにもう二度とブラウン管に回帰出来なくなりました 大画面でアナログを視るとよくいえばソフト過ぎましょう デジタルはクッキリハッキリ視え過ぎます臨場感がまるで違い データ放送も役立ってます 百聞は一見に如かず 欠乏した想像力を補うに必須アイテムかと 宇宙(NASA)は(視野が)デカイのです
「地デジ」の意味はお年寄りだけが分からないのでしょうかね…ではなく、「地デジ」にする意味も分からないのでは・・・。アナログはなぜ?
あるタレントのギャラは自給400万とか?
テレビ局もそれだけ支払う意味があるの…と思う昨今のテレビ番組には、客離れも起きますよ!
「地デジ」よりも優先性はどちらかな・・・。
muha様
先日、有楽町のビックカメラ1Fを歩いてみて驚きました。各社メーカーの居並ぶ大型テレビたちに比べて、それを眺めるお客の数が少ないこと。ボーナス時期というのに、購買意欲は明らかに低下しています。
大画面でデジタル放送を楽しむには、それなりのサイズの部屋も要ります。しかし、職を失い家を失くした人たちはアナログ放送さえ見られません。
店舗に並ぶ行き場のない贅沢品たちは、まるでバブルの墓石のように見えました。
風小僧様
年末からお正月にかけての番組編成は、再放送のものが多いそうです。それでもドキュメンタリーや名作ドラマであるなら、見飽きたお笑い芸人たちを使い回しするバラエティ番組よりはずっと見応えがあります。
国民の望んでいる政策とは何かを知ってほしい政府。
視聴者の望んでいる番組とは何かを知って欲しいテレビ局。
無駄なお金が出て行くすれ違いばかりです。