選びたい政党がない選挙

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衆院選挙が公示日を迎え、選挙戦の本番がスタートした。同時に夏の蒸し暑さが復活。ビラを撒き、声を枯らし汗だくで走り回る候補者にとっては、まるでダイエット選挙だろう。

逗子市は神奈川県第4区の選挙区に入るのだが、民主党の公認候補についてブーイングが上がっている。逗子市のジモティにはとりわけ評判の悪い元逗子市長をなぜ公認候補としたのか、どこの飲み屋に行っても「あいつには絶対入れないぞ!」と声を荒げる常連が多い。アンフェアーな街宣活動を批判した記事までアップされているほどだ。

自民党は背水の陣としても、困ったのは民主党を応援できなくなったこと。なぜならジモティたちは、地域に根ざして活動してきた元民主党員のA氏を信頼してきたからだ。鎮守の神様の祭礼、漁師小屋での宴会、小さな定食屋・・、どこにでも義理堅く顔を出すA氏を幾度となく紹介された私は、目力のある人だなあと彼の顔を記憶に刻んだ。

小沢氏から神奈川8区からの出馬を示唆されたA氏は、「あえて厳しい道に挑戦する」と民主党を離れ、みんなの党の公認として立候補。ずっと応援し続けてきた側にとっては「よくぞ地元に残ってくれた」と、大きな拍手を送っている。ただし、みんなの党に関してはまだまだ情報不足なのは否めない。

自民党員の小泉元首相が、「よほどのことがない限り、政権交代は実現する可能性がある。たまには野党になるのも悪くない」とまで発言した今回の選挙。しかし冷静に考えてみれば、自民党どころでなく民主党が政権を握って本当に大丈夫だろうかと不安になる。

「子ども手当」「高速道路の無料化」「暫定税率廃止」と国民に媚びても、どこから財源を引っ張ってくるのだろうか。無駄遣いを失くして経費を切り詰めようが、国の売上げがアップするわけではない。パイを大きくしないことには、雇用だってままならないのだ。日本が内政にばかり気を取られているうちに、アジア諸外国は産業力を高めて外貨を獲得していくだろう。やがて貧困な島国が取り残される。

成長戦略のある自民党のほうがまだマシかと思うが、神奈川県第4区の候補者についてはNG。小泉チルドレンのH氏は、まともに顔を見たことのない雲の上の人だ。今年のお正月、H氏は漁師たちの祭りで船の上からスター気取りでみかんを撒いたのに対し、A氏は漁師小屋でドラム缶の火に当たりながら住民たちと談笑していた。目線が上か下か、心が通い合うのはどちらだろう。

選挙の意味も分からなかった子供の頃は、国会議員など十把一絡げだと思っていた。それが今では「多」よりも「個」だ。たった一国民の声が直接届く人を選びたい。最後まで納得したい。小選挙区は決めたのに、多数決のための政党を選ぶ比例代表選挙が今ひとつしっくりとこない今回の衆院選である。

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