健康に良いと謳われてきたエコナ・シリーズ全商品の出荷・販売停止のニュースを聞いて、やっぱり・・と思った。花王の製品だからって訳じゃないけど、エコナ油で炒め物や揚げ物をすると、石鹸くさい匂いが素材にしみ込む。味は不味いし、オリーブ油や紅花油に比べ、どうして加工油の方が健康に良いのか理解できなかった。
今回の出荷・販売停止に至った理由は、商品に含まれた「グリシドール脂肪酸エステル」が発がん性物質に変化する可能性があるためとしているが、危険な成分はそれだけじゃない。アメリカやイギリスでは使用規制されている「トランス脂肪酸」が高濃度で含まれている。
トランス脂肪酸は食用油の日持ちを良くするため、化学的な処理をする段階で生じる副産物で、天然植物油にはほとんど含まれていない。多量に摂取すると悪玉コレステロールの増加のみならず、動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症、不妊、アレルギー、アトピーなどへの悪影響が報告されている物質だという。多く含まれている食品は、マーガリンやマヨネーズ、クッキー、インスタント麺、レトルト食品、ファストフードや冷凍食品の揚げ物類など、1人暮らしの若者には生活の一部になっているんじゃないだろうか。
アメリカでは既に多くのファストフードチェーン店でトランス脂肪酸の全面使用禁止や大幅削減が行われているのに、日本ではお咎めなし。食品安全委員会・厚生労働省では「日本人の一般的な食生活の中ではトランス脂肪酸の摂取量は少ない」と発表しているが、一般的な食生活って何をもって言っているのだろう。自民党時代の怪しい匂いを感じる。
ヘルシー神話のシンボルみたいなエコナ油に含まれているトランス脂肪酸。日本人はあまり油を摂らないから大丈夫だと言われても、今回の出荷・販売停止で不安を抱いた人は多いはずだ。2010年2月の販売再開に向けてどんな企業努力をするのか、もっとオープンにデータ公開を行って貰いたいと思う。
追記:
私の心情としては、後にも先にもエコナを使う気はない。詳細の見えない加工商品が、ヘルシーを売り物にしているのが胡散臭いからだ。だからサラダにかけるドレッシングも、エキストラバージン・オリーブオイルを使って手作り。2年半前のブログには秘伝のレシピ「ルッコラと長葱のサラダ」を紹介した。
ちなみに天然素材100%の手作り塩「ろく助の塩」のサイトには、注文が来すぎて製造が間に合わないので、すべての商品の販売を一時的に中止しているとのお知らせ。同じ販売中止でも、エコナとは明と暗の差があることを見て取った。
コメント
記事を読んでびっくりしました。
発がん物質のみならず
トランス脂肪酸まで大量に含まれているとは、、
私はマーガリンを一切食べないようにしていますが、こんな健康を高らかに詠っている商品にトランス脂肪酸なんて、、考えられません。
海外から見ると、日本の食品検疫はとても厳しいはずなのに、国内でのこういった『予見のできる危険な食材』に対しては対処が甘く遅いのはなんでしょう?
自分の体は切り離すことも取りかえることもできないので、本当に食に関してはモノ以上に気をつけたいですよね。
ベリタリア様
エコナのトランス脂肪酸含有率は3~5%と、普通の植物油よりも格段に多いそうです。どこが「健康エコナ」なんでしょう。
それにしても政権交代したとたん、花王がグリシドール脂肪酸エステルを理由にエコナ・シリーズの販売停止を発表したなんて変です。厚生労働省との癒着があったんじゃないかと疑いたくなりますね。トランス脂肪酸を叩かれる前に、別役者を立てて逃げようとしてるんじゃないでしょうか。
詳しい説明ありがとうございます。
エコナはトランス脂肪酸の含有量がそんなに多いのですね、美しい仮面をかぶった大企業、人の体に与える影響なんて全く考えてないようなCMに今さらですが怒りさえ覚えます。
この問題、この先どうなるか見ものですね。