このブログでは久しぶりの政治ネタ。昨日は某奉仕団体の会合で、元総理・森喜朗氏のスピーチを聴いた。ゴルフのフォームを披露した後、ご自身と小沢一郎氏との相違点を語り出す。どちらも幹事長を歴任し、与党と野党を経験した点は最も誇るべき経歴だそうだ。片や野党から与党へ、片や与党から野党へのひっくり返り方が大きな差らしいが・・。
現在73歳にして、いきなり「AKB48を知ってますか?」と切り出したあと、「永田町ではABKです。何だと思いますか?」の質問に入った。ABKとは”ANYONE BUT KAN”。「菅さん以外なら誰でもいい」が永田町での挨拶言葉であるらしい。
森喜朗氏といえば、平成7年に村山内閣を発足させた裏の仕掛け人である。細川内閣、羽田内閣と政局が大荒れだった当時、自民党の総裁だった河野洋平氏が「第二党である社会党委員長を総理にしましょう」と、連立政権に不満を持つ宿敵に玉座を譲ったのである。
首相となった村山富市氏は社会党の路線を180度変更し、日米安保と自衛隊を肯定した背景には、以下の言葉があったという。
「私は社会党の委員長であると同時に、日本国の総理大臣だ。どちらの方が責任が重いと思うか?」
これで翌年には日本社会党の名称が消滅してしまったが、阪神大震災からの復興には政局争いなどしている場合ではないと、村山氏は率先して我欲を捨てたわけである。
それから16年。大不況と大震災という必殺パンチを喰らった日本で、また政局争いと大連立のゴタゴタが起きている。
「きびしい時、つらい時こそ、難しい問題に取り組むべき。日本国の将来について、党を離れて議論すべきだ」と、森氏は熱く語る。まずは1年の期限付きで大連立を組み、4つのテーブル(1.震災からの復興、2.税と社会保障の一体改革、3.選挙制度の改革、4.日本国憲法の改正)で話し合いをし、それが終わったら敵・味方に分かれた本格的な選挙態勢に入ればいいとする意見である。
内閣不信任案は否決されたが、鳩山・小沢・菅のトライアングルが完全に崩れたのは結果として良かったと、民主党のお家騒動を観察する。
一昨日だったか、「菅おろし」の動きについて国民新党代表の亀井氏が「殿が切腹するより先に、部下が『介錯やります、やります』と言っている」と発言したことにも、森氏から更なる一言。
「介錯人は誰でもいい。お世継ぎが決まらないことが一番いけない」のだそうだ。
いずれにせよ私たち国民は「右向け右!」で、税を搾取されるだけの存在。デモをしようが署名を集めようが、選挙が行なわれるまでは手も足も出せない。政治家と国民とで人種が分かれてしまったようで、温度差は深まるばかりである。国会議員定数は722人に対し、置いてけぼりは1億2800万人だ。
コメント
どうしてこれほど次元の低い、中身のない権力争いになってしまったのか。
たとえば、菅さんに代わって新しい方が総理大臣になったら、どういうことを国民にアッピールするのか。日本の政府は何をするのか。
大連立は手段であって、その目的はまた別であります。その話なしでは、国民は政治にはあまり興味はありません。
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
noga様
政治家はスピーチが上手です。魔法使いのように白と黒をひっくり返します。
しかしその魔法は家に戻ってネットを見ると、シュルシュルと醒めていくんですよね。シンデレラの馬車を操るカッコいい御者が、ドブネズミだったと知るような醒め方です。
森喜朗氏はスピーチの最後にゴニョゴニョと、IT社会が政治に及ぼす影響に触れていました。マスコミの嘘には惑わされず、国民一人ひとりの発言が真実を語っていることをご存知なのだと思います。
国民は陪審員となって、国会中継が視聴率ナンバーワンを稼ぐようになって欲しいものです。